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11月のお勧め
- 床屋の椅子 -

髪結い、散髪の仕事は、いつの時代にも身につけた技術が光る手堅い商売の1つです。この職業のシンボルマークは、洋を問わず「鋏と櫛」です。技術さえあれば、身1つでお客の居場所に合わせて移動し、さっと仕事ができる時代があったのかもしれません。商売道具の「鋏と櫛」を納める引き出しが付いた、客を座らせるためのこの椅子は、身軽な出張販売の1つのアジア・スタイルだっただろうと思います。
西洋骨董でこれに相当する床屋さんの商売道具を探してみると、面白いことに「椅子」という形ではみつかりません。けれど、技があれば「出向く」ことができる仕事のスタイルは、西洋でも同じだったでしょうから、「鋏と櫛」以外に何かしら仕事に役立つものを他に持っていそうです。
これかなと行き当たったのは、「ひげ皿」です。スープ皿の縁を1箇所、三日月に切り取った形に作っています。窪んだ部分を肌に当て、切った髭などを受ける焼き物製の道具です。日本では、18世紀ごろの輸出用の有田焼きの1つとして知られています。有田焼製のものは、欧州の超お金持ちさん用高級品で、欧州の一般庶民は、土器製のものを使っていました。
これと鋏と櫛とを皮袋に入れれば、商売ができそうです。道行く欧州人は、風呂敷ではなく皮袋に荷物を詰めて担いでいました。アジア式には「床屋の椅子」が、欧州式には「ひげ皿」が、「鋏と櫛」に続く時代を示す商売シンボルのようです。 (伏見 緑)







階段箪笥

床屋の椅子
材料: 木材
産地: 北京
年代: 現代
寸法: 幅450 mm 奥行450 mm 高さ270 mm 

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